行方不明者がいる場合

相続人の中に行方不明者がいる場合、以下のどちらかの手続きをした後に遺産分割進めていきます。

  1. 失踪宣告をする。
  2. 不在者のための財産管理人を選任する。

それでは各ケースを詳しく見ていきましょう。

 

1 失踪宣告をする場合

失踪宣告を行うと、行方不明になっている相続人は死亡したとみなされます

失踪宣告を行うことにより、遺産分割の停滞を解消し、相続財産の名義変更等を進められるようにすることができます。

ただし、失踪宣告をしたからといって、行方不明の相続人の相続分が消えるわけではありません。
失踪宣告は、その人が最後に生存していることが確認されたときから7年を経過した時点から認められます。
※戦争、大災害や船の沈没など特別な危難に遭遇したことが行方不明の原因である場合には危難の時点となります。

例えば、被相続人の父が死亡して相続が発生したときに、相続人である長男、次男のうち次男が行方不明なので失踪宣告をしたとします。次男が行方不明になってから9年以上経つので、失踪宣告により次男が死亡したとされる時点がAの相続開始以前となります。
次男に子供がいた場合は、その子が次男に代わって代襲相続することができます。

 

2 財産管理人を選任する場合

家庭裁判所に不在者の財産管理人の選任してもらい、遺産分割協議を行う方法もあります。

この方法は、相続人のひとりが行方不明になってから、長い年月が経っていない場合に有効です。

不在者財産管理人は、行方不明になってしまった人の財産管理や、不在者に代わって遺産分割に参加することができます。

このように、相続人のなかに行方不明者がいても、正しい法的手続を踏めば遺産分割をすることができます。

逆に、このような法的手続を踏まないと、いつまでも遺産分割の手続きは進まなくなってしまいます。

そうならないためにも。専門家にご相談し、しっかりと手続きした方が良いでしょう。


 

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