検認された遺言書は効力があるのか?
家庭裁判所が行う検認には次のような目的があります。
- 相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせること。
- 遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止すること。
遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。 検認された遺言であっても、なお次のような問題が生じます。
- 遺言が偽造である可能性がある場合、遺言無効確認訴訟を提起して争っていくことができます。
検認は筆跡鑑定など遺言の真偽を確認するものではありません。 - 検認された遺言を金融機関に持って行っても、払い戻しを断られることがあります。
遺言の有効性を争われることがあるため、金融機関は争いに巻き込まれたくないからです。
すなわち、検認は「相続人のみなさーん、こんな遺言がありますよー、これが正しいかどうかは知りませんよー」というアナウンスをしてくれますが、遺言の効力を認めるものではありません。
公正証書遺言については、検認の必要もなく、真偽について争われることもないため、スムーズに遺産の相続の手続きができます。